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くしゃみで歯が痛んだこと、ありますか?

秋を感じる暇も無く、本格的な冬に突入してきましたね。
こんな季節の変わり目には、風邪が流行ります。
インフルエンザに罹る方も多くなってきました。

さて、そんな時期には、こんな声が聞こえてきます。

「くしゃみをした途端、奥歯がズキッと痛んだ」
「咳をすると歯が響くように痛む」
「歯が痛むのに合わせて鼻や頭が痛くなった」

今回は、風邪の時期にありがちなこの症状について、頭・鼻と歯の関係にフォーカスしてお話ししていきたいと思います。

歯が痛むのに、歯自体は悪くない?

くしゃみで歯が痛む症状が起きる背景には、顔の骨の中の「副鼻腔」という空洞が関わってきます。

くしゃみで歯が痛んだこと、ありますか?

副鼻腔と呼ばれる箇所はいくつかあるのですが、特に関連が深いのが「上顎洞」です。
図のように、目の下の骨の中にある小さな空洞で、鼻とつながっています。
そして、上の奥歯の歯根の先端がとても近い位置にあります。
あまりの近さに、人によっては、歯根が上顎洞の壁に触れていたり、突き抜けてしまっていたりするケースも多いです。

上顎洞

つまり、風邪などによって上顎洞の辺りに炎症が起きると、その刺激がこの奥歯の神経にダイレクトに伝わってきやすい、ということになります。
そのため、くしゃみをすると歯に痛みを感じる、鼻をかんだら歯に痛みが走った、といった症状が起きるのです。

この場合は、歯自体に問題は無いので、歯科ではなく内科などでの診療が必要になります。

歯に問題ありのパターンも!

さて、歯に問題が無いパターンについてお話ししてきましたが、逆に、歯が原因で鼻や頭に痛みが伝わっていくパターンもあります。

先程お話ししたとおり、上の奥歯は、根の先端が上顎洞のすぐ近くに位置しています。
そのため、むし歯が神経にまで達してしまったり、過去の根の治療が再発したり、歯周病によって根の周囲に炎症ができたりすると、その炎症が上顎洞へ広がることがあります。

この状態は「歯性上顎洞炎」と呼ばれるもので、鼻づまりや後鼻漏(鼻水がのどへ流れ込む状態)、頬や頭の重さ、目の下の痛み、そして上の奥歯の鈍い痛みなどの症状が現れます。

風邪でも似た症状が出るため、患者さん自身が「風邪だろう」と判断し、市販薬で様子を見ることも珍しくありません。
しかし、この場合は原因が「歯」の方にあるため、歯の治療をしなければ症状が改善しないことが多いのです。
放置してしまうと、炎症が強く広がり、頭痛や顔面痛が悪化することもあります。

さらに厄介なのは、歯性上顎洞炎では、歯そのものが痛くないケースもあることです。
鼻や頭の症状だけが出ることもあるため、耳鼻科を受診して初めて歯の問題が疑われ、歯科へ紹介されるという流れになることも決して珍しくありません。

歯科と耳鼻科、両方の視点が必要

ここまでお話ししてきたように、歯の炎症が鼻へ響いたり、鼻や副鼻腔の炎症が歯へ響いたりと、症状だけでは判断しづらいケースが多くあります。
そのため、鼻や頭の症状が強ければ耳鼻科で、歯が痛ければ歯科で……という「片側診療」に頼りすぎると、原因を見落としてしまう可能性があるのです。

診断には、レントゲンやCT撮影が非常に有効です。
歯性であれば歯の状態に異常が見つかり、上顎洞由来であれば副鼻腔の粘膜の腫れが確認できます。
どちらが原因なのかをはっきりさせることで、治療の方向性が決まります。

鼻や頭痛の症状がきっかけで来院された患者さんにレントゲンを撮影したところ、上顎の奥歯の根に炎症が見つかったケースや、歯の痛みを訴えて来院したものの、実際には上顎洞炎が原因だったケースなど、様々な例があります。
どこに相談すべきかわからないときは、まず受診し、検査に進むことが解決の近道になります。

「風邪っぽい症状だから歯じゃない」は危ない

実際の診療では、「風邪のような症状だから歯とは関係ないと思った」「痛みが鼻や頭に出ているので、歯科に行く理由がないと思った」というケースは決して少なくありません。

しかし、風邪のような症状の出どころが歯であることも多く、様子を見続けてしまうと、炎症が広がり、治療期間が長引く原因になることがあります。
早く相談に来てもらえれば短期間で済む治療でも、時期を逃すと思った以上に複雑になることがあるのです。

特に注意したいのは「上の奥歯」

副鼻腔と最も近いのは上の奥歯です。
噛んだときだけ気になる違和感や、時々だけズキッとする軽い痛み、過去に治療した歯がなんとなく重い、といった小さな変化でも、上顎洞へ影響が及んでいることがあります。

むし歯や歯根のトラブルは、対処が早ければ早いほど、処置は小規模で済みます。
違和感を覚えたら、早い段階でチェックすることで、治療の負担を減らすことができます。

風邪の季節は「歯と鼻の症状」をセットで意識

寒くなり、風邪や鼻炎が増える時期は、歯と副鼻腔の距離の近さから、関連した症状が起きやすい季節でもあります。
くしゃみや咳で歯が痛む、鼻炎なのに奥歯がズキズキする、頭痛と歯痛が同時に起きる。
こんな症状は、単なる風邪とは言い切れないことがあります。

どこに相談すればいいかわからないときこそ、早めの受診をおすすめします。
原因が見つかれば、治療の方向性もはっきりし、症状の改善にもつながります。

風邪の時期に限らず、歯科で定期的なメンテナンスを受けることで、むし歯や歯周病などに早期に気づき処置することができ、今回挙げたようなトラブルを未然に防ぐことも可能です。

松井山手ひかり歯科クリニックでは、3ヶ月~半年に一度の歯科検診受診を推奨しています。
歯だけでない、身体の不調を防ぐために。
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